学術・安全性

生物学的安全性評価って どのように行われているの?

生物学的安全性評価って どのようにおこなわれているの?

歯科材料の口腔内における生体学的安全性について

皆様がお使いの歯科材料は最終的に患者の口腔内で機能します。
長期間にわたって体に接触するものですから、安全でなければなりません。
安全であることを証明するために、国際的なISO規格に基づいて、生物学的安全性や物性が評価されます。

歯科材料の物性はカタログなどで見かけますが、生物学的安全性がどのように評価されるのか、ご存じない方も多いのではないでしょうか。
ヤマキンでは、高知大学医学部との共同研究などにより、すべての有機系材料や代表的貴金属合金の生物学的安全性を評価するために、さまざまな試験を実施しています。
その結果はレポートやWEBサイト、あるいは専門書といったかたちで公表しています。
このような生物学的安全性試験の中で、最もスタンダードな「細胞毒性試験」を紹介いたします。

細胞毒性試験(コロニー形成試験)

歯科材料は、その使われ方によって評価すべき生物学的安全性が異なります。
「細胞毒性」の評価は、体に接触するすべての医療機器に求められ、以下のような試験によって評価されます。
製品から抽出した試験液の中で、チャイニーズハムスター由来の「V79細胞」という細胞を培養します。
この「V79細胞」はコロニーと呼ばれる細胞の集落をつくる性質を有しています。
基準となる細胞コロニーの数と比較して、試験液のコロニー数が同等数であれば「細胞毒性なし」と評価されます。

▼試験手順▼



 

近年、動物を用いた安全性試験は動物愛護の観点から世界中で忌避される傾向にありますが、細胞毒性試験は動物試験の結果と高い相関性があるため、代替手段としても注目されています。