Q&A

【歯科用合金Q&A】銀合金と金銀パラジウム合金について

【Q1】銀合金と金銀パラジウム合金の違いを知りたい。

A

金銀パラジウム合金(以下、金パラ)と比べた銀合金の特徴は次のとおりです。

  • 物性が金パラに劣る
  • 硬さ、引張強さ、伸びなどの物性は金パラに劣ります。
    そのため銀合金は金パラと比べると強度が低く、脆いという特徴があります。

    参考値

     

  • 耐食性が金パラに劣る
  • 金を含有せず白金族元素の含有率が低い銀合金は、金パラと比べ耐食性に劣ります。
    そのため、銀合金は金パラと比べると変色しやすいという特徴があります。

【Q2】銀合金が黒変する原因を知りたい。

A

主成分である銀は硫化すると黒く変色します。

銀のアクセサリーが温泉で黒く変色することがあるように、歯科鋳造用銀合金においても耐食性は良好とは言えません。

また、口腔内で変色した銀合金表面の変色層を分析したところ、合金成分中の銀の硫化物やインジウム、スズ、亜鉛の酸化物であったとの報告もあります。

【Q3】黒変を防ぐ成分はありますか。

A

金、白金、パラジウムなどの添加により黒変の軽減が期待できます。

金、白金、パラジウムは硫化を抑制する効果があり、黒変の軽減が期待できます。

しかし歯科鋳造用銀合金では、Q4で後述する金を含有せず、白金族元素(白金やパラジウムなど)の含有率についての定義があり、過度の期待はできません。

 

【Q4】銀合金の種類を教えてください。

A

歯科鋳造用銀合金には第1種と第2種の2種類の銀合金があります。

第1種と第2種の違いは、組成で定義されています。
銀は共に60%以上で、インジウムは5%未満が第1種、5%以上が第2種、金や白金族元素を含有しないのが第1種、金を含有せず、白金族元素が10%以下であるものが第2種です。

下のとおり、引張強さと伸びが第2種ではJIS規格で規定されていますが、第1種では規定されていません。

歯科鋳造用銀合金(JIS T 6108:2005)

 

【Q5】銀合金 第1種が使用可能な症例を知りたい。

A

歯科鋳造用銀合金 第1種は、主に次の症例にお使いいただけます。

  • インレー
  • キャストコアー

注意:銀合金の中でも強度が低く脆いため、薄い辺縁や細長い形状には向いていません。

【Q6】銀合金 第2種が使用可能な症例を知りたい。

A

歯科鋳造用銀合金 第2種は、主に次の症例にお使いいただけます。

  • インレー
  • クラウン
  • キャストコアー
  • 小歯欠損ブリッジ

注意:やむを得ず小歯欠損ブリッジ(3本ブリッジまで)を製作する場合は、連結部の断面積を十分に確保してください。
歯冠長の短い症例など、連結部の断面積(高さ、厚み)が十分に確保できない場合は使用を避けてください。

 

【Q7】銀合金を使用する場合の留意点を知りたい。

A

次の点をご注意ください。

  • 太さや厚みを十分確保する。
  • 銀合金は脆い材料です。 すべてにおいて金パラを使用する場合より厚めに製作してください。

    特に、強度を重要視する部位やパラファンクションなどの口腔習癖がある症例では、通常よりも厚めに製作してください。

  • ろう付けによる修正は避ける。
  • 銀合金の専用ろう材は、小さな穴埋めの範囲しか使用できないため、強度がかかる連結などには使用できません。
    また、専用ろう材は、特に耐食性が劣るためできるだけ使用を避けることをお勧めします。

 

【Q8】銀合金を大臼歯で使用した場合に考えられるリスクを知りたい。

A

次のリスクが考えられます。

  • 変色
  • Q1~Q3で述べたとおり、銀は耐食性が低い合金です。

  • クラウンの摩耗
  • 破折
  • Q1で述べたとおり、物性は金パラに劣り、強度が低く脆い合金です。

 

もっと詳しく知りたい方は次の書籍をご参考ください。
「歯科用貴金属の化学」 学建書院 P21~28,P109~144
「知っておきたい歯科材料の安全性」 YAMAKIN株式会社 P26~39,P44~50
「METAL HISTORY」 YAMAKIN株式会社 P101~105,P180,P225~233

 

管理医療機器 ユニ1‐n 歯科鋳造用銀合金第2種 認証番号:221ACBZX00089000
製造販売元:YAMAKIN 株式会社 〒781-5451 高知県香南市香我美町上分字大谷 1090-3