
ジルコニア加工研究のご紹介「CAD/CAMでクラスプは作れるのか?」
ヤマキンの「高知先端デジタル技術研究所」(通称:高知デジ研)で進めている技術研究として、共同研究先からご依頼をいただいたジルコニアクラスプの加工を紹介します。
クラスプは破折のリスクがあるため、強度を考慮し、3パターンの形態を製作しました。
※ジルコニアによるデンチャーのクラスプは破折のリスクが高く、適応症例ではありませんのでご注意ください。
※「KZR-CAD ジルコニア T」(ヤマキン製を使用) 焼結後の厚み 左:0.6mm 中:1.0mm 右:0.6mm
作業ポイント
スキャナーとCADは3SHAPEを使用しました。
クラスプの設計はオプションソフトのリムーバブルパーシャルデザインが必要です。
このソフトを使用することで、模型のラインと同じようにCADソフトウェア上で線をつなげれば簡単に設計できます。
アナログ作業でクラスプを製作する際には、ワックスの種類によって異なる厚みを把握して調整しなければなりませんが、デジタルだと数字を入力するだけで厚みを設計できます。
また、レジンとの維持部も、はじめから複数登録されているので、症例に合わせて簡単に変更する事ができます。
テクニカルポイント
レジンとの維持部は薄めに仕上げなくてはならないため、切削の際に割れる可能性があります。維持部の穴をあける際も割れる可能性があるので注意が必要です。
ジルコニアで製作するメリットは「金属アレルギーがない」「高強度である」ことが挙げられます。
しかし、ジルコニアは金属と比較すると破壊靭性値が低いため、材料特性を理解して使用する必要があります。
管理医療機器 KZR-CAD ジルコニア 歯科切削加工用セラミックス 認証番号:226AABZX00026000
製造販売元:YAMAKIN 株式会社 〒781-5451高知県香南市香我美町上分字大谷 1090-3