学術・安全性

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「ナノジルコニア」の応用検証報告

「ナノジルコニア」の応用検証報告

ジルコニアは金属よりも軽く、アレルギー症状発生の可能性が低い素材です。
さらに、パナソニックヘルスケアおよびその子会社であるパナソニックデンタルから譲り受けた「ナノジルコニア」は、ジルコニアの中でも強度がさらに高く、破壊靭性値も高めた世界で唯一の材料です。

今回はその「ナノジルコニア」を使用し、全部床の加工検証を高知先端デジタル技術研究所で行いましたので、ご報告いたします。
なお、ナノジルコニア義歯床フレームの製作には、歯科医師の裁量が求められます。

【焼結後の状態】 厚さ:0.5mm

焼結後の状態1

焼結後の状態2

半焼結の「ナノジルコニア」は切削時に硬さを感じました。
切削速度を速めて材料に負荷をかけると割れてしまうので、非常にデリケートな材料といった印象を受けました。

そのため、加工パスも慎重に調整する必要があり、加工時間は15時間を超えました。
手間がかかる症例ですが、強度や破壊靭性のメリットを活かして薄く仕上げることができました。

詳細につきましては、高知先端デジタル技術研究所もしくは関西先端デジタル技術研究所、または、ヤマキンの営業担当者にお問い合わせください。

ナノジルコニア床とコバルトクロム床の特徴

◎ナノジルコニア床のメリット

・アレルギー症状発生の可能性が低い
・コバルトクロムに比べて軽い
・金属味を感じない
・CADソフトウェアで薄く均一にできる
・プラークが付着しにくい

◎コバルトクロム床のメリット

・装着性が良い
・熱伝導がよく、食事時などの温度変化を感じやすい
・鋳造で製作できる(CAD/CAM不要)
・ろう着ができる
・弾性がある

(参考文献)
T.Takano, K.Sakurai “Overview of Zirconia : Application as Denture Base Material Substituting for Metal" Int.
J.Prosthodontics and Restorative Dentistry, 2013;3(4):153-156

今後も継続して検証を行いますので、結果が入り次第、ご報告いたします。

管理医療機器 KZR-CAD ナノジルコニア 歯科切削加工用セラミックス 認証番号:229AABZX00032000
製造販売元:YAMAKIN 株式会社 〒781-5451高知県香南市香我美町上分字大谷 1090-3