マーケット

地金相場が上昇!歯科用貴金属合金への影響も…

2019年、金は米中貿易摩擦、イギリスのEU離脱や香港情勢など、経済的・地政学的な不安要素から、安全資産として買われました。

特に12月末頃からは中東情勢の緊迫、中国の新型コロナウイルス感染拡大の懸念も加わり、相場が上昇傾向にあります。

直近1年間の金地金相場推移(ヤマキン店頭小売価格 1g 税抜)

 

また、パラジウムは自動車排ガス触媒向けに需要が高く、世界経済が好調であることから、長期的な上昇トレンドとなっています。 特に12月は最高値の更新を続け、未曾有の高騰状態となりました。

その後1月末に一旦下落しましたが、以後買戻しの動きがあり、底堅い需要に支えられ再び上昇に転じています。 コロナウイルス感染拡大によって中国経済に懸念は生じていますが、米国経済が好調であることから、パラジウムの上昇傾向は続いています。

直近1年間のパラジウム地金相場推移(ヤマキン店頭小売価格 1g 税抜)

 

歯科用貴金属合金への影響について

これらを受け、保険適用の治療で最も多く利用されている、歯科鋳造用金銀パラジウム合金(金パラ)の価格も高騰しています。 下のグラフは原材料原価(貴金属地金相場)や市場実勢価格からヤマキンが算出した金パラの価格の推移です。

2019年4月以降の歯科鋳造用金パラ価格推移

注:市場販売価格の推定値であり、実際の販売価格ではありません。

金パラの価格は貴金属地金相場によって日々変動しており、細かい上げ下げはあるものの、依然として上昇傾向が続き、近年にない価格となっていることがわかります。

ちなみに、2019年10月1日の材料価格基準改正で、金銀パラジウム合金は1,675円/g(30g換算で50,250円)となりましたが、いまから10年前の2010年4月1日は、619円/g(30g換算で18,570円)でした。 保険点数は実勢価格が反映されていることから、10年で3倍近くに跳ね上がっています。

地金相場ポータルサイトをご活用ください

ヤマキンでは貴金属(合金)購入時に参考としていただけるよう「地金相場ポータルサイト」に貴金属地金相場とその推移、海外相場概況を毎営業日に更新しております。

 

【地金相場ポータルサイト 画面イメージ図】
左:当日の地金相場 中:今後の歯科用貴金属合金の価格動向 右:合金価格改正履歴

 

近年の相場状態から、金銀パラジウム合金をはじめとした歯科用貴金属の価格の方向性が心配な方もいらっしゃるのではないでしょうか。

地金相場、歯科用貴金属合金の動向をまとめてチェックできる「地金相場ポータルサイト」をぜひご利用ください。

ヤマキンがご提供するのは相場情報だけではありません

関連記事 ”歯科用貴金属合金の選び方は「メタルナビ」で!” へ