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大臼歯CAD/CAM冠の市場について(2020年2月)

今回はCAD/CAM冠の普及状況を確認しながら、導入後2年を経過した大臼歯用のハイブリッドレジンブロックの市場についてお伝えします。

大臼歯用CAD/CAM冠は、大幅に市場が拡大しています

厚生労働省 社会医療診療行為別統計によると、CAD/CAM冠は2018年6月には154.8千件の治療が行われ、前年比で30.3%増加(小臼歯単独では15.4%増加)しました。 2017年12月に大臼歯にCAD/CAM冠が適用範囲が拡大して最初の統計となる2018年6月、大臼歯の治療は約17.7千件でした。(いずれも材料ベース)

出典:厚生労働省 社会医療診療行為別統計

 

CAD/CAM冠 施設基準の届出状況について

ここでCAD/CAM冠普及の背景となる施設基準届出状況を見たいと思います。 歯科診療所がCAD/CAM冠の治療を行う場合、あらかじめ管轄の厚生(支)局に施設基準を満たしていることを届け出る必要があります。
そのため、この届出件数の推移を追うことで、実際に治療が行われる環境が整っているのかがわかります。 ヤマキンでは地方厚生(支)局のWEBサイトで届出状況を独自にカウントし、普及状況を確認しております。

地方厚生(支)局サイトからヤマキンが集計

 

2019年9月末時点の調査結果では、全国で5万件を超え、74.6%の歯科診療所が届出済ということがわかりました。 次の図に、都道府県別の届出割合を示しました。

 

依然、いわゆる「西高東低」の状況や、都道府県による差異は見られますが、届出率は全ての都道府県で65%以上となったことがわかります。 このように、全国で一様にCAD/CAM冠治療を受けられる環境が整ってきていることから、今後、強度や耐久性に対するエビデンスの蓄積や材料開発によって、大臼歯全般や、前歯、インレーへの適用範囲が拡大し、より多くの人がメリットを享受できるようになることが期待できます。

CAD/CAM冠(大臼歯・小臼歯)材料の市場は大きく拡大しています。

メーカーによる大臼歯CAD/CAM冠(ハイブリッドレジンブロック)の出荷状況は次のとおりです。(メーカー出荷数量ベース)

出典:株式会社アールアンドディ 歯科機器・用品年鑑2020年版

 

大臼歯用ハイブリッドレジンブロックは2018年度に28.6万個が出荷されており、2019年度に27.8%伸びると予想されています。 この中で、ヤマキンの大臼歯用ブロックは出荷金額ベースで27%、出荷数量ベースでは28.3%のシェアとなりました。 これは「歯科機器・用品年鑑2020年版」によると、業界第2位であるということでした。

出典:株式会社アールアンドディ 歯科機器・用品年鑑2020年版

 

2017年12月の大臼歯CAD/CAM冠への適用拡大後、ヤマキンでは2018年1月に大臼歯CAD/CAM冠を特集したハンドブックを発行し、翌2月には大臼歯適用レジンブロック「KZR-CAD HRブロック3 ガンマシータ」を発売しました。

今後もヤマキンは、微力ではありますが歯科のデジタル技術普及に尽力することで地域医療を守り、発展させる取り組みを続けてまいります。

小臼歯用のハイブリッドレジンブロックの市場についてはこちら。