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この記事は歯科医療関係者のみご覧ください。〈一般のみなさまへの情報提供を目的としたものではありません〉

CAD/CAM冠の推定市場規模

2014年4月に「CAD/CAM冠」が先進医療技術から保険導入され、その後の歯科用CAD/CAMシステムの普及スピードは目覚ましいものがあります。

CAD/CAM冠の施設基準届出は2015年8月現在で普及率が49.4%でしたが、その後2015年10月には50.3%と、いよいよ過半数を超える状況となり、2015年12月には51.4%と引き続き増加の傾向を示しております。(下記表参照)

他方、CAD/CAM冠に使用されるハイブリッドレジンブロックの市場は、厚生労働省「診療報酬改定説明資料」の最新の統計によると、材料の請求件数17,831件/月と公表されています。しかしながら、これはCAD/CAM冠が保険導入された直後の2014年6月審査分の推計値であるため、現在の市場はさらに増加していると考えられます。

そこで、今回は、ハイブリッドレジンブロックの国内市場がどの程度に拡大しているものか推定いたします。

ハイブリッドレジンブロックの市場規模について

まず、CAD/CAM冠導入前の2013年6月審査分の「社会医療診療行為別調査」(厚生労働省)では、日本国内の小臼歯・前歯の金銀パラジウム合金での保険治療本数は368,335本/月でした。このうち、ヤマキンではブリッジや治療本数が僅かと考えられる前歯部全部鋳造冠を除き、小臼歯部単冠は7割の約257,800本/月と推定しました。

さらに、症例などの観点からこれらの単冠全てがCAD/CAM冠に移行するものではないと考えられるため、仮に単冠の7割が移行するとして約180,500本/月、すなわち約216.6万本/年がCAD/CAM冠としての治療がおこなわれ、同数の216.6万個/年がハイブリッドレジンブロックの最大市場と推定しております(図1)。

◎CAD/CAM冠用ハイブリッドレジンブロック市場の概念(図1)

2015年度の推定市場規模について

2016年1月に株式会社アールアンドディから発行された「歯科機器・用品年鑑2016年版」によると、2015年度のハイブリッドレジンブロックの予測市場は、113.6万個/年です。したがって、最大市場の216.6万個/年のうち、治療用や流通在庫を含めたメーカー出荷量は、最大市場の52.4%に達していると考えられます。

◎ハイブリッドレジンブロック市場(2015年度予測)の概念

ヤマキンの市場シェア率について

ヤマキンではCAD/CAM冠用の「KZR-CAD ハイブリッドレジンブロック」を2014年10月に発売し、2015年10月にはCAD/CAM冠用として初めてフッ素徐放性を有するハイブリッドレジンブロック「KZR-CAD HR ブロック2」を発売しました。

ヤマキンの2015年度(2015年4月~2016年3月)のハイブリッドレジンブロックの販売予想数は、「KZR-CAD ハイブリッドレジンブロック※」と「KZR-CAD HR ブロック2」を合計し、およそ31万個としております。
2015年のハイブリッドレジンブロックの市場は、ヤマキンを含めた約8社で、およそ113.6万個であることから、ヤマキンの市場シェア率は、既に3割近くに及ぶものと推測します。

※ 「KZR-CAD ハイブリッドレジンブロック」は「KZR-CAD HR ブロック2」の発売をもって販売を終了いたしました。

典拠:「歯科機器・用品年鑑2016年版」株式会社アールアンドディ

◎ヤマキンのハイブリッドレジンブロックの市場シェア率

管理医療機器 KZR-CAD HRブロック2 歯科切削加工用レジン材料 認証番号:226AABZX00171000
管理医療機器 KZR-CAD ハイブリッドレジンブロック 歯科切削加工用レジン材料 認証番号:226AABZX00080000
製造販売元:YAMAKIN 株式会社 〒781-5451高知県香南市香我美町上分字大谷 1090-3