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CAD/CAM冠の推定市場規模

2014年4月1日にハイブリッドレジンブロックを利用する「CAD/CAM冠」が先進医療技術から保険導入されました。

この「CAD/CAM冠」は、厚生労働省「平成26年度診療報酬改定説明資料」によると「厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において、歯冠補綴物の設計・制作に要するコンピュータ支援設計・製造ユニット(歯科用CAD/CAM装置)を用いて、小臼歯に対して歯冠補綴物(全部被覆冠に限る。)を設計・制作し、装着した場合に限り算定する。」というもので、いわゆる4番5番のみに適応される技術です。

従来、保険適用で小臼歯の全部被覆冠として使用される材料は、主に金銀パラジウム合金の鋳造冠と歯冠用硬質レジンを築盛するジャケット冠でしたが、医療の高度化・デジタル化に対応する観点で、ハイブリッドレジンブロックをCAD/CAMシステムを用いて切削加工することができるようになりました。

CAD/CAM冠は技術料が1,200点に設定されているなど、既存の技術よりも点数が大きいことや、貴金属相場の高止まりから金銀パラジウム合金の材料点数が逆ザヤになる時期も見られることなどから、金銀パラジウム合金からハイブリッドレジンブロックに一部移行される動きは継続的であると予想されます。
そこで今回の市場レポートでは、ハイブリッドレジンブロックの国内市場はどの程度になるものか推定したいと思います。

まず、日本国内の小臼歯・前歯の金銀パラジウム合金での保険治療本数は368,335本/月です。(典拠:厚生労働省「平成25年社会医療診療行為別調査(平成25年6月審査分」)このうちブリッジや治療本数が僅かと考えられる前歯部全部鋳造冠を除き、小臼歯部単冠は7割の約257,800本/月と推定しました。
症例などの観点からこれらの単冠全てがCAD/CAM冠に移行するものではないと考えられるため、仮に単冠の7割が移行するとして約180,500本/月(約216.6万本/年)がCAD/CAM冠としての治療がおこなわれるものと推定しました。

◎図1:CAD/CAM冠用ハイブリッドレジンブロック市場の概念

CAD/CAM冠用のハイブリッドレジンブロックは1個につき1歯切削されることから、ハイブリッドレジンブロックの国内市場は、年間216.6万個と考えられます。
この技術は、2014年4月1日に保険適用となったばかりであるため、普及が進む過程にありますが、今後はCAD/CAM装置の普及やブロックの供給量の増加に応じて、年間216.6万個に近づくものと推定されます。

ヤマキンではCAD/CAM冠用のハイブリッドレジンブロックを、2014年10月10日のワールドデンタルショーにあわせ発売します。
本製品は、ハイブリッド型硬質レジン「ツイニー」のコア技術である「セラミックス・クラスター・フィラー」の特許技術(日本特許 第4502673号「フィラー、該フィラーを用いた複合レジン、及び該複合レジンを用いた歯科補綴物」)をベースに加圧・加熱重合技術を融合させることで高強度と高耐久を実現したという特長があります。ヤマキンのCAD/CAM用材料のラインアップのひとつとして、本製品の発売にご期待ください。

管理医療機器 ツイニー 歯冠用硬質レジン 認証番号:222AABZX00121000
製造販売元:YAMAKIN 株式会社 〒781-5451高知県香南市香我美町上分字大谷 1090-3