学術・安全性

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チャレンジ企画(ジルコニアディスク1枚で何歯削れるか)

チャレンジ企画(ジルコニアディスク1枚で何歯削れるか)

切削加工用ディスク1枚からできるだけたくさんの歯を削りだすことによって、利益性は高くなります。
そこで、高知先端デジタル技術研究所の加工技術研究の取り組みとして、1枚のジルコニアディスクで何歯削ることができるか追及してみました。

使用機器

切削機:DWX-50
CAMソフト:WorkNC Dental

切削のポイント

・長時間(約20時間)の切削になるため、途中で工具が破折しないように、新品または摩耗の少ないものを使用する。
・補綴物がディスクから脱落しないように、サポートピンでしっかりと把持する必要がある。サポートピンは補綴物の形態を崩すので、本数や太さ、配置が重要である。

サポートピンで補綴物同士を連結させ、配置間隔を詰めることで、フレーム、フルクラウン、連冠、ブリッジなどの組み合わせで「31歯」まで削ることができました。

 

しかし、サポートピンが破折してしまうことで、振動や衝撃に耐えきれなくなった補綴物が次々と脱落するといったリスクが生じます。
また、一度に切削を行う加工パスを組むと、途中で急ぎの症例が入った場合に切り替えができなくなりますので、夜間加工のような無人になる時間帯の活用が有効です。

臨床でディスク1枚を一度に切削することはリスクが高いですが、サポートピンをうまく連結させて、まとめて切削する方法は歩留まり向上が期待できるため、まずは1/4~半分の切削で試してみてはいかがでしょうか。