Q&A

この記事は歯科医療関係者のみご覧ください。〈一般のみなさまへの情報提供を目的としたものではありません〉

【歯科技工Q&A】ゼオクイック陶材について -ゼオセライトの併用-

【Q1】ゼオセライト(ヤマキン1つ目の陶材ブランド)陶材を併用すると、きれいな発色が得られません。何が原因でしょうか。

A

ゼオクイック陶材が「乳濁した不透明な陶材」という特徴をもつためです。

ゼオクイックは、シンプルな2層築盛で一般的なシェードガイド(以下、シェードガイド)に合うことを目的としているため、乳濁した不透明な設計にしています。

そのため、ゼオセライトのアクセント陶材やステイン陶材を併用して多色築盛すると、内部からの発色が抑制される傾向があります。
内部からの発色で天然歯の色調表現をする場合は、透明度の高いゼオセライトで作製してください。

ゼオクイックとゼオセライトは、熱膨張係数を合わせた設計のため、併用しても物性的なトラブルは発生しません。

【Q2】ゼオクイックを基本的な2層築盛で焼成しました。その後、焼成収縮分を追加焼成したところ、境界線が現われました。原因と対処方法を教えてください。

A

ゼオクイックは、乳濁した不透明な設計にしているため、1次焼成のエナメル陶材の上に、追加するデンティン陶材が被ると、境界部で色調の差異が境界線となって現れることがあります。対処方法を2つ紹介します。

  1. ゼオセライト「T-Clear」を使用する場合
    追加築盛の際にゼオクイックのデンティン陶材に、ゼオセライト(ヤマキン1つ目の陶材ブランド)のアクセント陶材「T-Clear」を1:1~1:2の割合で混合して築盛してください。T-Clearを混合したデンティン陶材を使用して追加焼成すると、ラインは発生しなくなります。
  2. 「T-Clear」を使用した追加築盛例

     

  3. ゼオクイックのみ使用する場合
    ゼオクイックのデンティン陶材で対応する場合は、1次焼成後にデンティン陶材が表面に出た箇所だけに追加築盛してください。
    この場合、エナメル陶材を歯頸部付近まで追加築盛する必要があるため、歯頸部付近の明度(白さ)がわずかに高くなる傾向があります。
  4. ゼオクイックのみを使用した追加築盛例

 

【Q3】ゼオクイックとゼオセライト(ヤマキン1つ目の陶材ブランド)のマージン陶材の色調は合いますか。

A

色調が合うため、問題なく使用できます。

ゼオクイックのサービカル陶材とゼオセライトのマージン陶材は、使用する際に築盛する箇所が近いため、色調と彩度を近似させて設計しています。
ゼオクイックの各シェードに対応するゼオセライトマージン陶材は、下表を参照してください。

シェード別 対応するマージン陶材

 

ゼオクイックのシェードテーブル

 

管理医療機器 ゼオクイック 歯科メタルセラミック修復用陶材 認証番号:218AABZX00132000
管理医療機器 ゼオセライト 歯科メタルセラミック修復用陶材 認証番号:221AABZX00172000
製造販売元:YAMAKIN 株式会社 〒781-5451 高知県香南市香我美町上分字大谷 1090-3