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第28回日本国際工作機械見本市(JIMTOF)

ヤマキンのデジタル技術研究課が2016年11月21日に第28回日本国際工作機械見本市(JIMTOF)に参加し、展示各企業と情報交換をしました。

JIMTOFとは?

このJIMTOFは、一般社団法人日本工作機械工業会が主催し、外務省や経済産業省等、各方面の後援・協賛を受けて開催している、国内有数の規模の展示会であり、国際間の技術交流を目的としているため、最新の加工機器の技術を知ることができました。

http://www.jimtof.org/jp/index.html
http://www.jimtof.org/2016/jp/

東京ビッグサイトエントランス

あらゆる業種で使われる最先端の切削機やロボットが展示されており、今回の訪問では将来の歯科用加工のために有益な情報を得ることができました。 大変多くの出展企業と情報交換を行いましたので、その中でも、歯科業界の近未来に密接に関わる企業の展示をお知らせいたします。(画像の掲載には、各企業の許可をいただいております。)

切削機

切削機では、株式会社アマダホールディングスではレーザー切削機を、株式会社スギノマシンでは、ウォータージェット切削機などの最新切削技術が展示されていました。

●アマダホールディングス
http://www.amadaholdings.co.jp/

●スギノマシン
http://www.sugino.com/

レーザー切削機やウォータージェット切削機は3軸加工ではありますが、シノヴァ社(スイス)が開発したレーザー・マイクロジェットという技術を、株式会社牧野フライス製作所に提供した切削機も展示されていました。
レーザー・マイクロジェットは、5軸加工を行う事が可能であり、金属やセラミックの精密加工をする事ができますので、将来の歯科補綴物の切削にも応用できる可能性があります。

レーザー・マイクロジェット切削機(牧野フライス製作所)

●牧野フライス製作所
http://www.makino.co.jp/jp/

●シノヴァ(英語)
http://www.synova.ch/

3Dプリンター

株式会社松浦機械製作所では、金属を3Dプリンターで製作し、歯科材料への技術転用の例として、金属床やクラウンを展示していました。営業の方のお話では、金属製の3Dプリンターは、歯科で使用されている樹脂系の3Dプリンターに比べて非常に高価であるとのことでした。
しかし、アンダーカットの影響を受けずに金属を造形できる技術は非常に有望であるため、安価なプリンターのリリースが期待されます。

3Dプリンターで製作した補綴物等(松浦機械製作所)

●松浦機械製作所
http://www.matsuura.co.jp/japan/

医療分野の製作物

医療分野での加工例としては、チタンを切削した人工関節や人工骨が、比較的多く展示されていました。
歯科で使われる切削機は5軸加工が多いのですが、株式会社ユーロテクノでは5軸以上の軸を持つ切削機で切削した例が展示されていました。
中にはスーパーストラクチャーのチタンフレームもあり、歯科のスーパーストラクチャーのチタンフレームは、アンダーカットがある症例でも、削り残しが無く切削されていたことに注目しました。

医療分野の切削見本(ユーロテクノ)

ユーロテクノ 切削機の加工

●ユーロテクノ
http://eurotechno.co.jp/

まとめ

CAD/CAM技術が急速に広まっている歯科業界ですが、工業界では工作機械や工具等の進歩は数段進んでいることがわかります。
そのため、今後は、歯科の枠にとらわれず工業界から情報を入手することが、歯科のデジタル技術の発展に寄与するものと確信しました。
今回のJIMTOFで展示されていた様々な技術が、将来の歯科のデジタル技術として転用され、ますます歯科のハイテク化が進むことを楽しみに感じました。