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保険適用銀合金の新製品「ユニコムPT」登場!

2020年12月1日発売の新製品「ユニコムPT」の情報を、開発の背景を交えてお伝えします。

プラチナが入ると銀合金も変わる!

歯科鋳造用銀合金第2種の成分は、JIS T 6108:2005で、「銀60%以上」「インジウム5%以上」「白金族元素10%以下」と規格化されています。
第1種とは異なり白金族元素を含むことで強度を発揮する合金です。
ヤマキンでは、2020年12月に白金族元素としてプラチナを配合した銀合金を発売しました。

白金族の地金相場の推移

白金族元素は、金と合金化させることで機械的性質(硬さ、引張強さ)を向上させ、銅を伴って熱硬化(時効硬化)するという長所を持っていることから、歯科用貴金属合金に利用されています。[1]
白金族元素の中ではパラジウムがプラチナより安価であったことから、銀合金の原材料として、パラジウムが一般的に選択されてきました。

Pt、Pdの地金相場[2]

 

さらにパラジウムは密度がプラチナ(21.45g/cm³)に対し12.16g/cm³であるため、同じg数であれば体積が大きくなることからも経済的な原材料とされてきました。
しかし、この2つの白金族元素の価格は2017年9月末に逆転し、直近ではパラジウムはプラチナの価格の2倍を超える状況となりました。

このような市況を背景に、ヤマキンではプラチナを配合した銀合金の開発に取り組み、銀合金「ユニシリーズ」に、プラチナ配合の「ユニコムPT」をラインアップしました。

 

プラチナ配合のメリットとは?

下図はプラチナ配合の「ユニコムPT」とパラジウム配合銀合金(ヤマキン製)の組織写真です。
【銀合金の組織写真】

ユニコムPT

パラジウム配合銀合金(ヤマキン製)

パラジウム配合銀合金は、長細い結晶が枝分かれする樹枝状晶(デンドライト)の様相であるのに対し、「ユニコムPT」は細かく均一な組織を呈しています。
プラチナを配合することにより金属組織が改質され、銀合金にとって重要な靱性が向上しました。

 

鋳造用銀合金第2種の選択

材料は臨床ケースに応じた特性をもとに選択することが大切です。
ヤマキンの「ユニシリーズ」の銀合金第2種の各性能をレーダーチャートで表しました。
お使いの製品との比較の参考にしてください。

ヤマキンの銀合金第2種の各性能レーダーチャート

ユニコムPTの成分と性能

プラチナ配合により優れた靭性と強度を発揮する「ユニコムPT」をぜひご利用ください。

製品パッケージと製品

 


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[1]日本金属学編.金属データブック 改訂4版. 丸善出版,2004
[2]YAMAKIN株式会社 貴金属地金小売価格(税抜)

 

管理医療機器 ユニコムPT 歯科鋳造用銀合金第2種 認証番号:302ACBZX00036000
製造販売元:YAMAKIN 株式会社 〒781-5451 高知県香南市香我美町上分字大谷 1090-3