Q&A

この記事は歯科医療関係者のみご覧ください。〈一般のみなさまへの情報提供を目的としたものではありません〉

【歯科技工Q&A】ルナウィング ボディレジン②

【Q1】ボディレジンが硬く感じます。対応方法はありますか。

A

次のことをおためしください。

  1. 築盛前にスパチュラなどでペーストを数回、押さえるような外力を与える

    光重合型硬質レジンは、オペークやフロータイプだけでなくペーストタイプにもチクソトロピー性があります。硬く感じる場合は、外力を与えると軟らかくなります。
    ただし、折りたたむと気泡が混入するため注意してください。

  2. 室温20~25℃で使用する

    レジンは操作時の環境温度によって操作感が変わります。安定した操作性を保つために室温20~25℃での使用をお勧めします。
    低温で保管した場合は、硬くなるため、使用前に室温20℃で20分以上放置が必要です。

チクソトロピー性:外力が加わると軟らかくなり外力がなくなるとその形状を保とうとする性質

ルナウィングの適切な保管方法を知りたい。
https://www.yamakin-gold.co.jp/yn/qa005-2_lw/

【Q2】ボディレジンの気泡を混入させない築盛方法とその際の注意点が知りたい。

A

以下の2点に注意してください。

  1. レジンカット面のささくれを残さない

    寒い時期に推奨使用温度(20~25℃)よりも低くレジンが硬い状態で、レジン面に対しスパチュラを直角に立てて、横に削り採ると毛羽立ったようなささくれが発生します。そのような表面状態で築盛を続けると、小さな気泡が多数混入します。
    スパチュラを寝かせてレジンを切る感覚で採るとささくれが発生しません。

    レジンカット

     

    レジンカット面はスパチュラでタッピングを行い、常に表面をならしたウエットな状態で次のカット、築盛を行うようにします。

    カット面

     

    こちらの動画のペーストタイプ「使用方法と注意点」(1:11~)もご参照ください。

  2. 繰り返し叩くような築盛をしない

    エナメル系(エナメル、トランスエナメル、トランスルーセント)を指状構造に築盛する場合などは、下図のように一方向に押し伸ばすように築盛を行ってください。

    エナメル系の築盛方法概略

     

    ペタペタと叩くように操作するとスパチュラにレジンが付着し、デンティンからエナメル系が離れて浮き上ったときに気泡を巻き込んでしまいます。

    ペタペタと叩くような操作はしない

     

    次の築盛操作を参考にしてください。

    歯頸部方向にスパチュラで伸ばす。

    近遠心方向に伸ばす。

    指状構造の谷間へは圧入するように。

    歯冠全体のバランスをとりながら形態を調整する。

    指状構造の谷間には、気泡が混入しないよう圧入する感覚で築盛してください。圧入の操作がしやすい稠度(粘性)をもつのは、エナメルのハードタイプよりペーストタイプです。

    エナメル系のハードタイプは、ペーストタイプとどのような使い分けをしますか。
    https://www.yamakin-gold.co.jp/yn/qa009-2_lw/

    ルナウィングのエナメル系は、築盛時に気泡の混入が確認できるよう、光重合を行うまでは本来の色調よりも透明性が高い設計にしています。光重合後に本来の白い色調になり、気泡の混入は確認しづらくなります。

    気泡の混入がない状態

    圧入不足による気泡の混入が確認できる状態

    完成したレジン前装冠がシェードガイドよりも濃く感じます。対処方法はありますか。
    https://www.yamakin-gold.co.jp/yn/qa006-2_lw/

    エナメルの全シェードで、シリンジから出したとき透明感が高く本来の白さが足りないと感じるのですが。
    https://www.yamakin-gold.co.jp/yn/qa045_lw/

管理医療機器 ルナウィング 歯冠用硬質レジン 認証番号:218AABZX00035000
製造販売元:YAMAKIN 株式会社 〒781-5451 高知県香南市香我美町上分字大谷 1090-3