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お客さまの声から生まれたルナウィング エナメル「ハードタイプ」

保険適用硬質レジンの「ルナウィング」のエナメルには「通常タイプ」と「ハードタイプ」があります。
今回は、この「ハードタイプ」が開発された経緯をご紹介します。

お客さまの声から生まれた ルナウィング エナメル「ハードタイプ」

保険適用硬質レジン「ルナウィング」は2006年10月のワールドデンタルショーでヤマキン初の大型有機材料として華々しくデビューしました。
ルナウィングの数多くの特長のひとつが「気泡を巻き込まないエナメル」であり、デンティンよりも粘性を30%軟らかくすることでマメロンの隙間にスムーズに入りこむと、好評をいただきました。

◎マメロンの隙間に流れ込むイメージ図

◎マメロン封鎖例(※例示のためトランスルーセントを使用)

ところが、翌年の4月になって、南西地方のお客さまから「築盛時にべたつく気がする」というご意見が届くようになりました。
そこで、エナメルをあたため、温度別に評価を行ったところ、ある他社製品に比べ、通常の室温から離れた高温域で「べたつき」が発生することがわかりました。

日本各地の気温変化を考慮すると、これから夏にかけて、同じようなご意見が次第に北上し広がることが予想され、何らかの対策を直ちに取るべきと判断しました。

営業部門・開発部門など全社的協議を重ねた結果、デンティンに近い粘性を持たせた「ハードタイプ」を大至急、開発することを決定しました。

しかし、この暑い夏の間にハードタイプを上市し、べたつくと感じるお客さまにお届けしなければ、新製品をご購入いただいたお客さまのご期待に背くことになります。
また、ハードタイプの開発にあたっては、逆に低温下で物性や操作性の安定、触った感触(けば立ち、スパチュラ離れがよすぎるなど)が適切であることが求められます。

そのほかクリアすべき問題はさまざまでしたが、すべて乗り越え、JIS試験・再現性試験などを行い、開発決定から薬事申請するまで2ヶ月程度という短期間で実現させたことは、以降の製品開発に自信がもてる結果となりました。

そして、いよいよ認証機関から9月3日に認証を受け、直ちに厚生労働省に保険適用を申請。
まだまだ残暑厳しい中、お客さまにお届けすることができました。

管理医療機器 ルナウィング 歯冠用硬質レジン 認証番号:218AABZX00035000
製造販売元:YAMAKIN 株式会社 〒781-5451高知県香南市香我美町上分字大谷 1090-3