
【歯科技工Q&A】ツイニー 含有フィラーについて
【Q1】ツイニーに使われているセラミックス・クラスター・フィラーの特徴や効果が知りたい。
以下のとおりです。
- 特徴
ツイニーのセラミックス・クラスター・フィラーは、ほぼ球状の無機サブミクロンフィラー(直径200~600nm)を焼結により凝集させたものです。
セラミックス・クラスター・フィラー
- 効果
セラミックス・クラスター・フィラーは、凹凸表面のためリテンションビーズと同様のアンカー効果(錨のように固定する効果)が得られます。そのためモノマーが強固に接着し、破折しにくい構造となります。
セラミックス・クラスター・フィラー
これに対して、一般的な球形・不定形フィラーは、フィラーとモノマーの接着面が図のようにフラットなため、引っ張りの力が加わるとはがれやすく、破折し易い構造です。
一般的な球形・不定形フィラー
【Q2】ツイニーは、ガラス粉砕不定形フィラーを使用していますか。
使用していません。
ツイニーのフィラーは、自社合成した球形無機フィラーです。シラン処理を行いシランカップリング条件の最適化を図ることで、モノマーとより化学的に複合化させています。
フィラーの自社製造からセラミックス・クラスター・フィラーの開発に成功し、さらには球形ナノフィラー、フッ素徐放性フィラーを含有する歯冠用硬質レジンや歯科充填用コンポジットレジンの開発へと展開することができました。
【Q3】ツイニーを研磨する際、セラミックス・クラスター・フィラーが、研磨を阻害することはないのでしょうか。
ありません。
セラミックス・クラスター・フィラーは、ほぼ球状の無機サブミクロンフィラー同士の焼成温度を調整しており、表面は溶けて焼結し点で接合しています。 ガラス粉砕不定形フィラーに比べ、研磨時に外れやすく、研削しやすい特長があります。
研磨の容易さをもたらすメカニズム
【Q4】ツイニーに入っている2つの大きさの異なる球形ナノフィラーの特徴や効果が知りたい。
以下のとおりです。
- 特徴
球形ナノフィラーは非常に凝集しやすい粒子です。
しかしツイニーの球形ナノフィラーはルナウィングの分散技術(シランカップリング条件の最適化)を継承し、凝集せずモノマー中に存在しています。 - 効果
適した大きさのため、セラミックス・クラスター・フィラー の隙間に効率よく入り込み、より多くの球形無機フィラーを充填することができます。
物性を向上させ、収縮や吸水の抑制などの効果を発揮します。ツイニー材料構成のイメージ図
ツイニーのSEM像(×5,000)
【Q5】ツイニーの築盛中、金属スパチュラが重合したレジンに触れると黒い跡が付着する場合があります。理由と対策はありますか。
以下のとおりです。
- 理由
ハイブリッドレジンは金属よりも硬いセラミックスのフィラーが高充填されています。 このため金属製のスパチュラで触れると、金属が削れて黒く付着する場合があります。
- 対策
築盛する際は、通常の金属製のスパチュラは避け、 ハイブリッドレジン築盛用に特殊加工(窒化チタンコーティング)された金属製、またはプラスチック製、ラバー製や竹製などのスパチュラをご使用ください 。
- 補足
スパチュラだけではなく、ツイニーで製作した前装冠などを金属製のピンセットでつかむ場合なども同様に注意が必要です。
【Q6】口腔内にセットした、ツイニーで製作した歯科修復物に黒い跡が付着しました。理由と対策はありますか。
金属が接触していることが原因と考えられます。
過去に以下の事例がありました。
このような症例では、ツイニーの使用を避けるか、歯科修復物の相手側金属と接触する部分を金属で製作するようにしてください。
- ツイニーで製作した歯科修復物を金属クラスプの鉤歯として使用する。
[対策]
金属クラスプが接触する部分は、金属を表面に出して製作する。 - ツイニーで製作した歯科修復物の対合歯が金属製の修復物で、咬合の際に接触する。
[対策]
対合歯と接触する咬合面や下顎前歯の切縁は、金属で接触するように製作する。
ツイニー 管理医療機器 歯冠用硬質レジン 認証番号:222AABZX00121000
製造販売元:YAMAKIN 株式会社 〒781-5451 高知県香南市香我美町上分字大谷 1090-3