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この記事は歯科医療関係者のみご覧ください。〈一般のみなさまへの情報提供を目的としたものではありません〉

光重合器と歯冠用硬質レジンのシステム導入

歯冠用硬質レジンやハイブリッド型硬質レジンは、光重合で硬化させる製品が一般的であり、歯科技工用重合装置を用いて重合させます。

この歯科技工用光重合器(以下、光重合器)は従来、ハロゲンランプやメタルハライドランプなどを光源とする機種が主流でしたが、重合中の思わぬランプ切れや、ランプ交換のコスト、ランプの熱による温度上昇と、それに伴う温度調節用ファンの騒音がネックとなっていました。

これらの問題を解決するべく、近年、ハイパワーかつ長寿命で消費電力の少ないLED(発光ダイオード)ランプを利用した光重合器が見られるようになりました。
硬質レジンメーカーまたは商社が発売する国産LED式光重合器としては、ヤマキン(製造販売元:デンケン・ハイデンタル)を含め3社が上市しており、各社共にハロゲンランプに比べ、格段に長寿命となったランプや消費電力の少なさをメリットとしています。*1

その中でもヤマキンは、自社の歯冠用硬質レジン「ルナウィング」とハイブリッド型硬質レジン「ツイニー」の光重合時間を、LED光重合器(販売名:LEDキュアマスター)によって、トータルで4分の1近くに短縮することを打ち出しました。(図1)

◎図1:従来の光重合器(上)とLEDキュアマスター(下)の重合時間比較

◎ヤマキンWEBサイト よくあるご質問

●LEDキュアマスターを使用した場合の重合時間は?
https://www.yamakin-gold.co.jp/technical_support/faq/d-equipment/ledcuremaster02.html

このように「LED キュアマスター」と「ルナウィング」、「ツイニー」を組み合わせて使用することで技工作業の大幅な効率化を図ることができます。そのため、大手ラボ、個人ラボを問わず、光重合器と材料を合わせた1つのシステムとしてトータルで導入するユーザーが増えています。

これはデータにも表れており、歯冠用硬質レジンを例にとると各社の出荷金額総計は近年減少傾向であるにも関わらず、ヤマキンでは増加傾向にあります。「LED キュアマスター」を2012年11月に発売して以来、光重合器だけでなく、材料も含め1つのシステムとして「ルナウィング」を導入するラボがコンスタントに増加しているためと考えます。

◎図2:歯冠用硬質レジンの出荷金額の伸び率推移
(2006年度の出荷金額を基準とした場合の伸び率を表示)

典拠:「歯科機器・用品年鑑 2014年版」株式会社アールアンドディ 刊、
「2014年版 歯科用機器・材料市場の現状と将来展望」株式会社矢野経済研究所 刊 にヤマキンの分析を加えたもの。
※2013年度のヤマキンは前年度より若干減少しているが、多くのメーカーの3月期決算と異なり6月期決算であることから、消費税導入後の一時的な市場縮小が反映しているため。

現在、歯科技工用光重合器の年間市場(販売台数)は開業・追加購入などの新規需要と買い替え需要を含め、700台程度と推察 *2 されていますが、2012年11月に発売以来、ヤマキンでは1年6カ月で「LEDキュアマスター」を1,000台近く販売しており、ヤマキンだけで市場全体の販売台数の95%近くを売り上げております。

「LED キュアマスター」単体で販売していたのではここまでのシェアを獲得することは困難であったかもしれませんが、1つのシステムとして販売することにより、「LED キュアマスター」単体の性能によるメリットだけでなく、「ルナウィング」、「ツイニー」を併用することにより約1/4に作業時間を短縮できるメリットが追加されるため、シェアを伸ばすことが出来たと推察されます。
このように共に使用するメリットを高めたことが相乗効果を生み出し、多くのユーザーに評価・導入していただくことにつながったと考えます。

*1 各社パンフレット、ホームページによる
*2 株式会社デンケン・ハイデンタルジャパン調べ

◎表1:主な歯科技工用光重合器(ヤマキン調べ)

管理医療機器 ルナウィング 歯冠用硬質レジン 認証番号:218AABZX00035000
管理医療機器 ツイニー 歯冠用硬質レジン 認証番号:222AABZX00121000
製造販売元:YAMAKIN 株式会社 〒781-5451高知県香南市香我美町上分字大谷 1090-3

LED キュアマスター 一般医療機器 歯科技工用重合装置 届出番号:26B2X10018000017
販売元:YAMAKIN株式会社 〒543-0015 大阪市天王寺区真田山町3番7号
製造販売元:デンケン・ハイデンタル株式会社 〒607-8187 京都市山科区大宅石郡町130