Q&A

【MTAセメント(マゼテール)Q&A】 よくある質問

【Q1】「TMR-MTAセメント マゼテール」(以下、マゼテール)貼薬後にグラスアイオノマーセメントによる裏層処置は、どの程度の時間を空けて行うのが適切でしょうか。

A

「マゼテール」貼薬後はすぐにグラスアイオノマーセメントなどで裏層することができます。

「マゼテール」の硬化を待つ必要はありません。ただし、「マゼテール」の貼薬量が少ない場合、裏層材によって「マゼテール」が移動し歯髄と裏層材が触れてしまう可能性があります。
裏層材はゆっくりと「マゼテール」の上にのせ、できるだけ「マゼテール」を厚めに貼薬してください。

2mm以上が理想的です。

【Q2】開封後の使用期限はどのくらいですか。

A

「マゼテール」の開封後の使用期限は、6ヵ月です。

期限内でも期間を空けて使用する際には、先端部が硬化していないことを確認し、もし先端部に硬化が確認された場合は、プランジャーを操作して硬化部を排出してから使用してください。

【Q3】使用後、ディスポチップからキャップへの付け替えは必要ですか。

A

必ずキャップに付け替えてから保管してください。

使用後、ディスポチップのまま保管すると、次回使用時に接合部で硬化し、ディスポチップの交換ができなくなる恐れがあります。

保管時:キャップ、使用時:ディスポチップ

 

【Q4】「マゼテール」を貼薬後、すぐにコンポジットレジンを充填することはできますか。

A

できません。

未硬化の「マゼテール」の上に直接コンポジットレジンを充填することはできません。一回法の場合、グラスアイオノマーセメントで裏層する等の方法で、コンポジットレジンが直接未硬化の「マゼテール」に触れないようにする必要があります。

【Q5】「10~30℃の温度で保管すること」とありますが夏場は冷蔵保管したほうが良いですか。

A

適切な保管温度を維持できる環境で保管してください。

夏場、室内の環境によっては保管環境が30℃を超える可能性がありますが、アルミ袋に入れて保管すれば、30℃を超えても直ちに問題が発生するものではありません。
しかしながら、高温下に長時間置いておくとペーストの粘性が増加する可能性があるため、適切な温度で保管してください。
また、冷蔵庫で保管した場合、冷蔵庫から取り出した際に結露することがあります。シリンジに付着した水滴がペーストに触れないよう、使用前に拭き取ってください。

【Q6】「マゼテール」は象牙細管の水で硬化するとのことですが、充填部が広い場合にも中心部まで硬化しますか。

A

中心部までしっかり硬化することを確認しています。

牛歯根管(下顎前歯)に「マゼテール」を充填し、上部を約2 mmグラスアイオノマーセメントで封鎖後に37 ℃の湿潤状態の不織布(キムワイプ)に静置し、1週間後に切断して確認した結果、どの場所においても十分に硬化しており、ピンセットや100 gのビカー針等で跡がつきませんでした。

作製した試料

 

硬化の確認

 

このことから、充填部が広い場合でも象牙細管等の歯質からの水分の補給によって中心部までしっかり硬化することが確認できています。

【Q7】シリンジの最後の方が押し難いのですが、ペーストが硬化したのでしょうか。

A

ペーストの残りが少ないと、摩擦抵抗により重たくなる傾向があります。

「マゼテール」のシリンジは、ピストン先端のゴム部がシリンジ内面と密着する形状となっており、ペーストの残留を最小限に抑える構造をしています。最後の方は、シリンジとゴム部のクリアランスが少なく、摩擦抵抗が高まることによって押し出しが重たくなる傾向があります。
また、「マゼテール」のペーストが白色のため、使い切った状態でも、外観はシリンジ先端にペーストが残っているように見えます。

使い切った状態のシリンジ 外観(左)と断面(右)