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高知大学医学部と共同研究講座を開設しました

高知大学 医学部 歯科口腔外科学講座(以下:高知大学)とヤマキンは、共同研究講座「次世代歯科医療開発講座」を2020年3月1日に開設しました。

デジタル技術を活用した地域医療を支える仕組みについて共に研究を進めてまいります。

デジタル技術・ICTで地域医療を支える仕組みを研究します。

【2020年3月26日 記者発表(高知大学にて)】
左:YAMAKIN株式会社 代表取締役社長 山本 樹育
右:国立大学法人 高知大学 学長 櫻井 克年 氏

 

「共同研究講座」とは

共同研究講座とは、大学が企業からの資金と人材を受け入れ、大学内に研究組織を設置し、対等な立場で共に研究を行う制度のことで、一定期間継続的に研究を続け、研究の高度化、多様化を図ります。

今回の「次世代歯科医療開発講座」は2020年3月1日~2025年2月28日の5年間設置し、ヤマキンからは5名が「非常勤特任職員」として研究活動に従事します。

また、本講座は高知県の補助金に採択されている研究事業を含んでおり、「産学官連携」の取り組みになります。

共同研究の目的

歯科医療現場において、歯科医療従事者の高齢化や従事者数の減少が進んでおり、地域の歯科医療を維持していくためには、歯科医療機関の連携や歯科医療従事者の労働環境改善、生産性向上などへの対策を講じていく必要があります。

この現状を踏まえ、地域の歯科医療機関や関連施設との連携にデジタル技術やICTを活用することで地域医療を支える仕組みを研究し、高知県において課題解決モデルの構築を目指します。

次世代歯科医療開発講座

 

研究内容について

本講座では大きく分けて2つのことを研究します。

デジタル技術の活用

口腔内スキャナや歯科用3Dプリンターといった最新のデジタル機器の臨床的評価と精度の向上や機能の拡張と、歯科治療のデジタル化で義歯作製や遠隔診断、遺体身元確認などへの応用展開について研究します。

また歯科医療へのAI技術の導入による画像診断支援や治療予測、歯科技工物の製作サポート等の可能性について検討します。

AI技術については、AIを利用したサービス要件(AIを利用して便利になったり解決できる事柄)は高知大学、開発はヤマキンのシステムエンジニアが中心となり基礎研究を進め、歯科業界向けのAIサービス開発に繋げていきます。

デジタル技術の活用イメージ

 

ICTの活用

患者情報、治療に用いた材料の情報、写真データなど、あらゆる歯科治療に関わる情報を収集・蓄積・標準化してデータベース化し、デジタルデータで歯科医療情報を一元管理することで、データの二次利用(データ抽出や分析、関連施設との情報連携、災害時の身元特定など)を可能にする仕組みと、さらに、これらのデータをICTを活用し共有することで歯科医療機関・関連施設の連携を図る「歯科医療マネジメントシステム」を構築します。

ICTの活用イメージ

 

これまでにも、ヤマキンは2005年に高知大学内に「生体科学安全研究室」を設置し、生物学的安全性の評価など、歯科材料開発等で共に研究してまいりました。

本講座では、歯科材料開発の枠を越え、ICTやAIといったデジタル技術の活用について研究し、共同研究の幅を広げることで、歯科医療従事者だけでなく、患者のみなさまも含めた、すべての歯科医療に関わる人々が連携できる、次世代の歯科医療を目指します。