・密度:10.49(g/cm3)
・融点:962℃ | 銀は金およびパラジウム等にもよく溶け込む全率固溶体型です。
金へ銀の添加を行っても硬さや強さに大きな増加は示さず、機械的性質の変化はあまりありません。
また、添加量に応じて合金の融点を下げます。
金合金では、30%前後の範囲まで金に置換され配合されています。
メタルボンド用合金では、プレシャス系、セミプレシャス系、
パラジウム系等種類によって含有量が異なり、約1%〜40%程と幅が広くなります。
特にセミプレシャス系以下の合金に対しては、後ロー着強さを向上させるのに効果的であり、
比較的酸化しにくいため酸化膜の色調を抑制できます。
貴金属の中では、熱膨張係数が19.1×10-6K-1 (0〜100℃)と高いため、高くコントロールするのに効果的です。
欠点としては陶材を黄変させますが、現在市販されている陶材は、その多くが黄変防止対策がなされており、
それ程の問題ではありません。
金銀パラジウム合金では、50%前後含有されているのが一般的です。
銀は、貴金属の中でも最も安価なため、銀を主成分とした銀合金が良く知られていますが、
銀の硫化し易い性質は同様に銀合金の最大の欠点とも言えます。
また、銀は酸素と結びつき合金を作るような性質があることから、高温においてかなりの酸素ガスを吸収し、
凝固の際、固溶限が小さくなりガスを放出する現象が発生するため、
合金内部にガスの状態で取り残され、鋳巣の状態で存在することも十分考えられます。
これらの理由から、銀を多量に含有する合金では、脱酸剤の配慮が必要
となるのが理解できます。 |