［貴金属合金Q&A／貴金属元素の役割］ YAMAKIN株式会社

・密度：21.45(g/cm³)
・融点：1,769℃

　白金は、金合金の機械的性質（硬さ、引張強さ）を向上させるのに最も効果的な金属元素であり、金同様、耐食性も良好です。金および銅と相性が良く、Au-Pt系合金、Pt-Cu系合金では規則格子を生成し、液体あるいは固体状態においても完全に混ざり合う全率固溶体です。白色化傾向が強く12%以上の添加で合金を白色化し、融点が高いことから添加量が増加するに従って、液相点と固相点の温度域が広くなるため、溶解温度に幅ができ、その結果凝固の際、偏折を起こしやすい性質となります。
　しかし、メタルボンド用では機械的性質同様に耐熱性も向上させるため、金合金に比べ比較的多く含有されます。密度21.45（g/cm³）は金よりも大きく白金を多く含有するものは通常の金合金よりも重くなります。また、熱膨張係9.0×10^-6K^-1（0～100℃）が小さいため、低くコントロールするには有効である。

【参考文献】
1）日本金属学会編：金属データーブック　改訂4版．丸善， 2004， 10-13．
2）Preston-Thomas H. : The international temperature scale of 1990 (ITS-90). Metrologia, 27 :
3-10, 1990.
3）市丸俊夫ほか：歯科用金合金におけるIrおよびRuの微量添加について、歯材器、33（3）：194～200、
1976
4）大野弘機：歯科工誌、17（40）、297、1976