・密度:8.93(g/cm3)
・融点:1,085℃ | 銅は、金合金の融点を下げ、硬さ、強さ等の機械的性質を著しく向上させます。
通常、合金は硬さと脆さは比例関係にあり、硬くなればなる程脆くなるが銅の添加により、
脆さを抑えて硬くすることができます。また、Au-Cu、Pt-Cu、Pd-Cuと結合して時効硬化特性を発揮します。
しかし、添加量が多くなるにつれて耐食性が悪くなるため、添加量は制限されます。
また、銅添加による色調については独特の赤味を増します。
メタルボンド用では、高温においては黒色に酸化され陶材を黒変あるいは緑変させる短所があるため、
プレシャス系、セミプレシャス系にはあまり添加されず、添加されても1%以下にすぎません。
しかし、パラジウムには良く溶け込む性質があるため、パラジウム系には約10%前後添加し、
融点を下げるとともに機械的性質を向上させますが、酸化状態、陶材への変色性については、若干劣ります。
最近では変色防止された低溶陶材の開発により、強度性や色調効果等、
銅の特長を最大に利用した新しいタイプのメタルボンド用白金加金も出現してきましたが、
金に対しての含有量が増加すると酸化上昇や、加熱を繰り返すことによる変形を招くので、
3〜7%程度の添加にとどめる必要があります。
また、金銀パラジウム合金には、熱処理硬化性や融点を下げ流動性を向上させる目的で約10〜20%の範囲で添加されています。
10%以下では、硬さ、強さ、融点の影響による問題、20%以上では、鋳造性は向上するものの、耐変色性の低下につながります。 |