歯科用象牙質接着材「TMR-アクアボンド0-n」

歯科用象牙質接着材【Q&A】 TMR-アクアボンド0-n- よくあるご質問 -


製品について

◎ 従来品の「TMR-アクアボンド0」との違いは何ですか。

「TMR-アクアボンド0-n」は、「TMR-アクアボンド0」の高い性能そのままに、保険診療の「象牙質レジンコーティング」に対応した製品です。また、知覚過敏抑制材としてもご使用いただけます。
なお、従来品「TMR-アクアボンド0」は、2021年9月21日をもって販売を終了いたしました。今後は「TMR-アクアボンド0-n」をご使用ください。

◎ どのような用途に使用できますか。

以下の用途で使用できます。
1. ボンディング材として
 ・象牙質を含む窩洞もしくは歯牙欠損への接着
 ・歯科用セラミックスで作製した歯科修復物のリペアー
 ・金属製修復物のリペアー
 ・支台歯(歯質もしくはメタルコア)の接着
 (KZR-CAD マリモセメントLCを用いてCAD/CAM冠を接着する場合)

2. 知覚過敏抑制材料として
 象牙質の知覚過敏の抑制

3. 歯科用シーリング・コーティング材として
 間接修復法の前処理材としてのシーリング・コーティング
(保険適用の象牙質レジンコーティング法)

上記の2,3項は当社従来品「TMR-アクアボンド0」では使用できませんでした。

◎ pH(水素イオン指数)はどれくらいですか。

pHは1.68です。

◎ ボンディング層の厚みは何µmですか。

5~10 µmです。

◎ 常温保管できますか。

冷蔵庫(1~10℃)に保管してください。

◎ 付属のディスポーザブル採取皿以外の採取皿は使用できますか?

使用できます。


使用方法

◎ 湿潤状態でも安定した接着力があるということは、エアー乾燥不要でしょうか。

エアー乾燥は十分に行ってください。
ボンド層に水分が残存していることや、揮発成分(エタノール)が光照射時に残存していることで接着不良のリスクが高くなります。

◎ リン酸エッチングは必要ですか。

リン酸エッチングなしで、本製品だけで十分な接着が可能です。
さらに強い接着を必要とする場合は、歯科用エッチング材(ヤマキンのマルチエッチャントなど)での前処理、水洗、乾燥を行ってから、本製品を使用することをおすすめします。
また、非切削エナメル質に対しては、必ずリン酸エッチングを行ってください。

◎ 使用(操作)可能時間は採取後何分ですか。

遮光条件下で約30分です。
成分配合の緻密なコントロールと接着成分「M-TEG-P®」の両親媒性により、30分後でも相分離しない設計です。

◎ 塗布後の待ち時間は何秒ですか。

塗布後は待ち時間なしでエアー乾燥に移ることができます。

◎ 光照射時間は何秒ですか。

ヤマキンの重合用光照射器「ペンギン アルファ」のハイパワーモードで3秒以上、スタンダードモードで10秒以上です。
有効波長領域400~515 nmの光量が300 mW/cm²以上のハロゲン照射器もしくはLED照射器の場合は10秒以上です。

◎ 「TMR-アクアボンド0-n」は揮発しやすいですか。

溶媒にエタノールを使用しているため、アセトンを使用している製品と比較すると揮発速度は穏やかです。
しかし、ボトル内の液分は徐々に揮発していきますので、使用後は速やかにキャップを閉めて保管してください。

◎ 光照射後の表面に未重合層は残りますか。

残ります。知覚過敏処置、象牙質レジンコーティングの際は固く絞ったアルコール綿球などで十分に未重合層を除去してください。


象牙質レジンコーティング

◎ 「TMR-アクアボンド0-n」を使用した象牙質レジンコーティングはどのような手順で行えばよいですか。

ボンディング材としての使用方法と大きく変わりありませんが、未重合層を除去してコーティングを完成させます。
詳しい手順は次のとおりです。
支台歯形成後、防湿しながらレジンコーティングを行います。
「TMR-アクアボンド0-n」を塗布して光重合した後、表面の未重合層をアルコール綿球などで拭きとって除去します。
なお、コーティングすべき面よりはみ出した材料は、探針やハンドスケーラーなどで除去できます。
その後、日本接着歯学会による「保険収載された象牙質レジンコーティング法の診療指針」
(http://www.adhesive-dent.com/news/file/info_20191224.pdf)に従って印象採得をしてください。

◎ 「TMR-アクアボンド0-n」で象牙質レジンコーティングした後の適切な仮封材はどれですか。

水硬性仮封材、テンポラリー、カルボキシレート仮封材などの非ユージノール系仮封材です。なお、ユージノール酸化亜鉛仮封材やレジン系仮封材は禁忌です。

◎ 「TMR-アクアボンド0-n」で象牙質レジンコーティングした後の適切な印象材は何ですか?

日本接着歯学会による「保険収載された象牙質レジンコーティング法の診療指針」
(http://www.adhesive-dent.com/news/file/info_20191224.pdf)では、寒天・アルジネート連合印象またはシリコーン印象材を推奨しています。
また、寒天・アルジネート連合印象の方がより好ましいという学術的報告もあります。

◎ 「TMR-アクアボンド0-n」で象牙質レジンコーティングした後どのように装着するのが適切ですか。

装着にはレジンセメントを推奨します。また、コーティング面が汚れていない状態で接着してください。接着前にリン酸エッチング材で表面を処理する場合は、象牙質に直接塗布したり、コーティング面を破壊したりしないよう注意して処理してください。

◎ 「TMR-アクアボンド0-n」で象牙質レジンコーティングした後の印象採得、仮封、装着で注意すべきことは何ですか。

日本接着歯学会による「保険収載された象牙質レジンコーティング法の診療指針」
(http://www.adhesive-dent.com/news/file/info_20191224.pdf)による留意点をご参照ください。

なお、禁忌症は次のとおりです。
 1.唾液,血液,歯肉溝内滲出液などによる被着歯面の汚染が避けられない症例
 2.レジン系材料に対する過敏症を有する患者における症例

参考
一般社団法人 日本接着歯学会 学術委員会
保険収載された象牙質レジンコーティング法の診療指針
http://www.adhesive-dent.com/news/file/info_20191224.pdf

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