研究の意義
ヤマキンのものづくりとは
ヤマキンでは、「ものづくり」を、単に品物を製造して出荷する活動を表すのではなく、使い手に寄り添い、価値あるモノやサービスを創り出すことと考え、次のとおり定義しています。
「製品・技術・情報(技術・安全性)・サービスを有機的に組み合わせ、市場における全てのお客さまに価値を提供する」こと。
さらに、ものづくりの技術に加え、「IT・デザイン技術を使い、顧客間のコミュニケーションをデザインする」こと。
歯科技工技術における技術の不連続
歯科用CAD/CAMの急速な発達によって、従来のアナログ技術からデジタル技術への「技術の不連続期」にあります。ヤマキンの先端デジタル技術研究所(デジ研)では、共同研究を提携する歯科医療機関とともに、歯科用CAD/CAMによる補綴物製作の臨床的評価を行い、そのエビデンスをさまざまなかたちで歯科医療業界に広く公開することで、歯科用CAD/CAM技術の普及と高度化に寄与し、歯科技工技術の継承と地域医療の充実に尽力して参ります。

産学連携による共同研究
ヤマキンでは、歯科材料の開発や安全性評価に加え、さまざまな場面で産学連携による共同研究を実施しています。

ヤマキンの学術活動
ヤマキンでは、研究の成果を自社の製品開発のみに反映させるのではなく、書籍やレポート、学会発表などを通じ、全く新しい技術情報を歯科医療従事者に積極的に提供し、地域医療を守り、発展させることに尽力しております。
書籍・レポートでの公表
歯科医療専門書
多年にわたる研究成果の集大成として「歯科用貴金属合金の科学」「歯科有機材料の化学」「知っておきたい歯科材料の安全性」を出版。希少なテーマであることから各方面で重用されています。
デジタルハンドブック
急速にすすむ歯科医療のデジタル化に対応し、歯科医療関係者にタイムリーな情報を掲載したハンドブック。CAD/CAMハンドブックを第7弾まで発行しました。第8弾からはデジタルハンドブックとして、より広い話題でみなさまにお届けします。
製品レポート
物理学的性質など製品を学術的見地から分析したレポート。さらに高分子学見地でまとめた技術レポートや口腔科学に関する共同研究報告など、学術的レポートは多岐に渡ります。
安全性試験レポート
生物学的安全性試験の結果と考察を公開したレポート。製品の承認に必要な項目に加え、高知大学医学部歯科口腔外科学講座との共同研究による追加試験についても掲載しています。


YAMAKIN博士会
ヤマキンの歯学、薬学、工学、理学、農学、学術の学位取得者から成る専門分野のエキスパート集団。専門書やレポート等も監修し、現在のメンバーは10名。
各々の知識や経験、技術を横断的に融合することにより、イノベーションを継続的に発生させる原動力となっています。 〈50音順〉
安楽 照男 | 高知工科大学大学院博士課程修了 博士(工学) YAMAKIN 株式会社 技術顧問 |
糸魚川 博之 | 北海道大学大学院博士課程単位取得後退学 博士(理学) YAMAKIN 株式会社 知財管理室 兼 金属材料開発課 主幹研究員 |
加藤 喬大 | 高知工科大学大学院博士課程修了 博士(工学) YAMAKIN 株式会社 執行役員 兼 主席研究員 |
坂本 猛 | 北海道大学大学院博士課程修了 博士(薬学) YAMAKIN 株式会社 有機材料開発課 主幹研究員 |
佐藤 雄司 | 高知工科大学大学院博士課程修了 博士(学術) YAMAKIN 株式会社 広報マーケティング戦略室 上席マーケット研究員(学術広報・IT マーケティング担当) |
田中 秀和 | 高知工科大学大学院博士課程修了 博士(工学) 高知工科大学 客員研究員 YAMAKIN 株式会社 開発部 主幹研究員 |
松浦 理太郎 | 愛媛大学大学院連合博士課程修了 博士(農学) YAMAKIN 株式会社 生体科学安全研究室 主幹研究員 |
山添 正稔 | 松本歯科大学大学院博士課程修了 博士(歯学) 松本歯科大学非常勤講師 石川県歯科医師会立歯科医療専門学校非常勤講師 YAMAKIN 株式会社 執行役員 兼 主席研究員 |
山本 裕久 | 高知工科大学大学院博士課程修了 博士(学術) YAMAKIN 株式会社 代表取締役会長 |
山田 文一郎 | 元 大阪市立大学工学部長 大阪市立大学名誉教授 工学博士 YAMAKIN 株式会社 顧問 |
研究対象の技術
デジ研では、共同研究パートナーの歯科医療機関とともに、歯科用CAD/CAMによる補綴物製作の臨床評価を行っています。製作のノウハウを蓄積し歯科用CAD/CAM技術の普及と高度化に寄与し、歯科技工技術の継承と地域医療の充実に貢献すべく、多様な臨床ケースの設計と加工に取り組んでいます。
ジルコニア

審美的要素から普及が進むジルコニアによる修復は、既に一般的な技術と言っても過言ではありません。
それゆえ、より一層、さまざまな症例に適応したデザインや加工の技術を高めることは、歯科医療のクオリティ向上に直結します。
ジルコニア グラデーション

「オーロラグラデーション」と呼ぶ自然な色の勾配により、前歯部や臼歯部の修復に高い審美性を実現したヤマキンのグラデーションタイプのジルコニア。
層の境界がわかりにくく自然な色調を呈する本製品で、より高度な審美修復を追求します。
ナノジルコニア

世界で唯一、ヤマキンが上市する本材は、一般的なイットリア系ジルコニアの約3倍の破壊靱性値を持ちます。
この特長を活かし、ロングスパンのフレームにとどまらず、金属に置き換える応用例を研究しています。
ハイブリッドレジンブロック

CAD/CAM冠として保険適用されたことから広く歯科医療で利用されており、今後ますます患者のQOL向上に貢献する技術です。
デジ研では歯科医療現場に向けてCAD/CAM冠の設計・加工のノウハウを研究し、広く情報を公開しています。
チタン

金属床は熱伝導や厚みの観点などから、快適な生活を営むために有効な機能を持ちます。それゆえ、口腔内の複雑な形状に対応しつつ強度を保ち、かつ限界まで薄く加工する技術が求められます。
3Dプリンターによる積層模型

築層法による造形は、従来の切削加工技術では再現できなかったさまざまな形状に対応可能です。
直接口腔内で装着できる修復物や、顎骨補綴の手術前模型など、既成概念を取り除いた応用範囲の研究を進めています。
ポリカーボネート

透明性を示す樹脂のなかで最高レベルの耐衝撃性を示す素材です。
ヤマキンのディスクはPMMAと比べ耐衝撃性に優れ、吸水量も小さく、プロビジョナルレストレーションに適しています。
CAD/CAMによる作業効率化と審美の両立について研究しています。