レジン用表面滑沢キャラクタライズ材「Nu:leコート(ヌールコート)」

レジン用表面滑沢キャラクタライズ材【Q&A】 Nu:leコート- よくあるご質問 -


製品について

◎ 口腔内で使用できますか。

口腔内でご使用いただけます。

◎ 被膜厚さはどのくらいですか。

1層あたりの被膜厚さは、リキッド:5~15µm、ジェル:20~50µmです。

※ダークブラウン HVは 20~ 50µmです。

◎ 保険適用材料ですか。

保険適用材料です。
CAD/CAM冠などの保険診療にお使いいただけます。
ただし、本製品は特定保険医療材料ではないため、診療報酬に該当する項目はありません。材料料は所定点数に含まれます。

◎ どの材料に使えますか。

レジン系歯科修復物にご使用いただけます。
レジン系歯科修復物の仕上げ(ラボサイド)だけでなく、艶がなくなったレジン系歯科修復物の定期メンテナンス(チェアサイド)でお使いいただけます。
弊社製品では、次の製品と併せてご使用いただけます。
・CAD/CAM冠用レジンブロック「KZR-CAD HR ブロックシリーズ」(保険適用)
・歯科充填用コンポジットレジン「TMR-ゼットフィル10.」(保険適用)
・歯科充填用コンポジットレジン「ア・ウーノ」(保険適用)
・光重合型歯冠用硬質レジン「ルナウィング」(保険適用)
・光重合型歯冠用硬質レジン(ハイブリッド型)「ツイニー」
・ポリカーボネートディスク「KZR-CAD プロビPC」、「KZR-CAD デンチャーPC」
・PEEKディスク「KZR-CAD ピーク」 など
また、ポリカーボネートディスク、PEEKディスクに硬質レジンを築盛する際の前処理材としても使用できます。

◎ 使用できる回数は1製品あたりどれくらいですか。

下記のとおりです。
・リキッド クリアー(6mL):約300滴(レジン冠約300歯分)
・リキッド カラー(4mL):約200滴(レジン冠約200歯分)
※ただし粘性の高いリキッド ダークブラウンHV(4mL)は約100滴です。
・ジェル(2mL):約100滴分(レジン冠約100歯分)

◎ ヌールコートを口腔内で使用するのですが、どのようなにおいですか。

Nu:leコートには、メタクリル酸メチル(MMA)が含まれているため、即時重合レジンと同様のにおいがします。


製品の使い方

◎ リキッド クリアーとジェルの用途の使い分けはありますか。

基本的には、リキッド クリアーをご使用ください。
厚みをもたせたい場合は、ジェルをご使用ください。
ただし、ジェルを使用する場合は、ジェルを塗布する箇所に必ず前処理としてリキッド クリアーを1層塗布・光重合してください。ジェルのみでは、レジン材料との接着が不十分になります。

◎ 採取後の使用可能時間はどれくらいですか。

リキッドは揮発性成分を含むため、液の採取後は速やか(目安1分以内)に塗布してください。揮発性成分であるメチルメタクリレートが揮発すると、粘性が高くなり硬化性および接着性が低下します。
なお、セット付属の「ディスポーザブル採取皿」を使用する場合は、採取後4分間ご使用いただくことができます。
残った液は硬化が進行している可能性があるため、容器には戻さないでください。
また、採取皿の材質によっては、採取皿が溶解する可能性があるので、本品専用の弊社販売のディスポーザブル採取皿をご使用ください。

◎ リキッドの粘性を高くしてから塗布したいのですが注意点はありますか。

リキッドは、基本的に、練和紙に採取した場合は1分以内、セット付属の「ディスポーザブル採取皿」に採取する場合は4分以内の使用を推奨していますが、粘性を高くすることで、白帯や小窩裂溝部の部分的なキャラクタライズのために使用しやすくなるテクニックがあります。

※リキッドの粘性をより高くしたい場合
遮光できるカバー等をかぶせ、ホコリ等が付かない状態で静置してください。揮発成分が減り、無機フィラーおよび揮発成分以外のモノマーの比率が上がるため、粘性が上がります。

※粘性を高くした場合の注意点
粘性を高くしたリキッドを使用する際は、必ず前処理としてリキッド クリアーを1層塗布・光重合してから、その上にリキッドのカラー(ホワイト、ブラウンなど)を塗布してください。
リキッドの粘性を上げた場合、ジェルと同じように、単体ではレジン材料との接着が不十分になる可能性があります。
また、粘性を高くすると厚みが出るため、ポリカーボネート(例えば、KZR-CAD デンチャーPC)のような、柔軟性が高く、フィラーを含まない義歯床用レジン材料、そのような材料で作製されたクラウンやブリッジへの塗布には使用しないでください。材料の破折などの原因になることがあります。

粘性を高くすると、色が濃くなるため透明感が減少し、また塗布した部分との界面に段差が生じることがありますが、最後にリキッド クリアーで全体をコーティングするとより滑沢性を得ることができます。

◎ キャラクタライズ時に重ね塗りする際の注意事項を教えてください。

キャラクタライズ目的でNu:leコート リキッドを複数層重ね塗りする場合、先に塗布した層が動かないようにするための重合(予備重合)が必要です。予備重合時間は以下のとおりです。
歯科技工用重合装置(LEDキュアマスター):予備重合時間5秒
歯科重合用光照射器(ペンギン アルファ):予備重合時間5秒(スタンダードモード)

なお、先に塗った層の予備重合後30分以内に次の層を塗布してください。放置時間が長くなると、表面のモノマーの未重合量が少なくなるため、本材のコーティング層同士の接着が不十分になり、剥離などの原因になる可能性があります。また、放置時間が長くなる場合は遮光し、ホコリなどが付かない環境に置いてください。
また、最終重合後に本材を重ね塗りする場合も同様に、モノマーの未重合量が少なくなるため、接着力が低下し本材同士の間で剥がれやすくなる可能性がありますので、一度本材を除去してから再度塗布してください。

◎ Nu:leコート リキッド ガムの特徴を教えてください。

リキッド ガムはポリカーボネートA2色に対して、薄く2~3層(膜厚40 µm以内)の塗布で、下地の色調を活かしながら自然な歯肉部の色になるような色調に設計しています。

◎ リキッド ガムを使用する際の注意点を教えてください。

Nu:leコートは、ポリカーボネート(例えば、KZR-CAD デンチャーPC)のような、柔軟性が高く、フィラーを含まない義歯床用レジン材料へ塗布する場合、硬い皮膜によって材料の柔軟性が損なわれ破折などの原因になることがあります。Nu:leコート リキッド ガムの膜厚は40 µm以内、目安として塗布回数3層までとしてください。

※ガムの上にクリアーを塗布する場合は、クリアーを含めて40 µm以内です。

◎ リキッド ガムで、元のフレーム色を遮蔽すると歯肉部が赤くなりすぎる。

リキッド ガムは、1層当りの塗布厚さが厚い場合は、2~3層の塗布で色調が濃く(赤く)なりすぎることがあります。アイボリー色(A2)の下地に薄く塗布することで、フレームの色調を活かしながら歯肉色に近づける設計ですので、1層ずつ薄く塗布・光重合を繰り返し、色調を調整してください。

◎ Nu:leコート リキッド ダークブラウンHVを臼歯小窩裂溝部のキャラクタライズに使用する際の注意点を教えてください。

リキッド ダークブラウンHVは、ほかのNu:leコート リキッドよりも粘性を高めに設計することで、小窩裂溝部のキャラクタライズに適した粘性となっております(HV=高粘度: High Viscosity)。ダークブラウンHVは、密着性が良くなるように、Nu:leコート ジェルとNu:leコート リキッドの間の粘性としているため、硬質レジンのステイン材など比べると粘性が低く、塗布時に少し広がることがあります。


光重合

◎ 使用できる光重合装置(光重合器・光照射器)の仕様を教えてください。

紫色LED(有効波長380nm~420nm)を有する光重合装置を使用してください。青色LEDのみ(有効波長450nm~480nm)の光重合装置は使用できません。
なお、光源がハロゲンランプの光重合装置を使用される場合は、有効波長の光量が不十分になる場合がありますので、添付文書に記載した時間の2倍に重合時間を延長してください。

添付文書記載の重合時間は以下のとおりです。
歯科技工用重合装置(LEDキュアマスター):仮重合時間30秒、最終重合時間60秒
歯科重合用光照射器(ペンギン アルファ):仮重合時間10秒、最終重合時間20秒(スタンダードモード)


耐久性

◎ 耐久性について教えてください。

ヤマキンのCAD/CAM冠用レジンブロック(KZR-CAD HR ブロック2 BG)を用いた歯ブラシ摩耗試験(ISO14569 - 1準拠、歯磨きペースト:水=1:2、荷重 2.0 N)で、5万回の歯ブラシ摩耗後の光沢度と表面粗さを評価したところ、荒研磨面にリキッド クリアーを塗布・光重合したブロックは、研磨仕上げしたブロックと比較して同等以上であり、優れた耐摩耗性が確認されています。 なお5万回は、1日20回のブラッシングの想定で、約7年分に相当します。
※実験上での結果であり、生活習慣により大きく影響を受けるため口腔内での耐久性を保証するものではございません。また、直接咬合圧のかかる部分への適用は推奨できません。


保管

◎ 保管条件を教えてください。

直射日光・火気を避けて、4~25℃を保てる暗所に保管してください。

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