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貴金属元素・貴金属合金 ALLOY
貴金属元素の役割 鋳造欠陥 腐食と変色

Q1. 鋳造欠陥の原因は?

大きく分けると次の5項目に分けられるでしょう。
1.凝固収縮巣
2.ブロ−ホ−ル
3.ホットスポット
4.鋳肌荒れ
5.湯まわり不良
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Q2. 凝固収縮巣とは?

 通常、金属は液体状態よりも固体状態において密度が大きい。すなわち凝固の際、鋳造体の容積が小さくなり収縮が起こり、比較的冷却速度の遅い凝固の遅れる部分に多く発生する鋳巣の一種で引け巣とも呼ばれています。引け巣の種類には収縮管や収縮孔、ミクロシュリンク等があり、特にミクロシュリンクはデントライト(樹枝状結晶)が成長し、溶湯の流れを阻止するため、微少で不定形の凝固収縮が鋳造体全体に散在します。また、結晶粒界に沿って発生する粒界引け巣と呼ばれる引け巣もあります。
※デントライト
合金が凝固する際に、それぞれの結晶核を中心として木の枝のような形状で成長する結晶。
粒界引け巣の一種 デントライト

 防止策としては、スプルー線を太く短くして、鋳造圧を大きくします。また湯だまりを取り付け収縮による空洞に溶湯が補給されるようにします。
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Q3. ブローホールとは?

 金属は、溶解中にガスを吸収し凝固時に放出します。その際に放出しきれずに鋳造体に残った小さな気孔をいいます。特に溶解金属中に非金属介在物(埋没材やルツボの破片、円錐台の汚れ等)が存在すると、それらを核として吸収したガスが成長し気孔になります。
 防止策としては、核となる非金属介在物や酸化物の巻き込みを避け、多量のガス吸収を防ぐ事です。
それには、
   1.合金の長時間加熱によるオーバーヒート
   2.溶解中の酸化を避け、酸化物の巻き込みを防ぐ
   3.ニュ−メタルを加えない反復使用
   4.鋳造圧不足による、凝固前の圧力減少
等は絶対に避けるべきです。

 右記の写真は、12%の金パラジウム合金を遠心鋳造機によって、鋳造を行っています。溶解の際、吸収したガスを放出できず集中して残留する箇所は、遠心鋳造ではやはり鋳造圧力の低い咬合面部分が多いようです。また、押し湯の状態が写真のように少ない場合は鋳造圧力の低下現象に伴い発生し易くなるようです。
これらは、下記の方法で解消できます。
  @咬合面の合金量を必要以上に厚くしない。
  A合金の押し湯量を正確に確保する(遠心鋳造の場合)。
  Bスプルーイングを工夫する。

×

遠心鋳造の場合、
咬合面にブローホー
ルが残留しやすい。


遠心鋳造の場合、45゚ にクラウンを直立させる。


遠心鋳造の場合、円錐台及び、ランナーバー等でクラウンの埋没位置を高くする。
Cエアーベントの付与
直径φが、1mm程度のものを図のように付与する。
遠心鋳造の場合は、固定する目的で円錐台の基底部にワックスで接着してもかまわないが、
加圧型の鋳造機の場合は、基底部より10mm程度離しておく。
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Q4. ホットスポットとは?

 引け巣の一種で、埋没材壁面に対しスプルーを垂直に植立した場合、溶湯が埋没材の同一箇所に集中的に衝突し、その壁面は局部的な過熱状態になります。そのため鋳込まれた溶湯は凝固が遅れ、その部分は凝固収縮により凹んだ状態になると言われています。しかし、歯科の鋳造では溶湯の鋳込み口と鋳型内の空気の逃げ道が同じであることが多く、空気が抜けきれる前に凝固が終了してしまったとも考えられます。したがって、溶湯の粘性が比較的大きく空気が抜けづらいパラジウム系のメタルボンド用合金に多く発生します。
 防止策としては、凝固収縮巣と同様にスプルー線を太く短くして、鋳造圧を大きくする事が必要でしょう。またエアベント等でスプルー線垂直付近に空気の逃げ道を確保することも有効です。


ホットスポット部の断面写真
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Q5. 鋳肌荒れとは?

原因としては
   1.埋没時のワックスパターンに付着した不純物
   2.急加熱による鋳型内のワックスの沸騰
   3.急加熱や極端な高温での長時間係留による埋没材の劣化
   4.埋没材の乾燥不足
   5.埋没材と合金表面との焼き付き
等が考えられます。
  対策としては埋没材メーカーの指示を忠実に守り、リングファーネスの焼却スケジュールを適正に行うことが大事でしょう。

●ブローホールによる焼き付きの鋳肌荒れ
リングから掘り出した状態   50μmのアルミナ処理(2気圧)、
埋没材除去後

  最近のリン酸塩系の埋没材は、ノンカーボンタイプで急速加熱型が主流になってきています。カーボン含有タイプ(黒色タイプ)はカーボンによって合金と埋没材の焼付きを防止する働きもありますが、合金成分中のPdがカーボンガスを吸収する可能性があることから最近は、カーボン含有タイプの埋没材の種類が少なくなってきているようです。
 上記の写真2枚は、ノンカーボン埋没材で急速加熱型を使用した際に発生した埋没材の焼付きですが、原因としてワックスの沸騰が考えられます。急速加熱型の埋没材だからといって、急速加熱をしなくてもかまいません。気温が低下しますと、専用液や水道水の温度も低下し埋没材の硬化時間にも影響をおよぼします。十分な効果が得られない状態でワックスが沸騰しますとこのような現象が発生します。対策としては、十分な硬化時間と常温からのリングセットによってこれらは回避できます。
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Q6. 湯まわり不良とは?

 鋳造時、鋳込みが終了する前に凝固してしまい完全な鋳造体が得られないことをいい“なめられ”もこの欠陥の一つです。
 原因としては鋳型の温度が低すぎたり、金属の溶解不足が考えられます。特に溶解不足の場合は溶湯の粘性が増すために鋳造性の低下を招きます。また、鋳型材の通気性が悪いと“背圧”によるなめられも発生します。

 防止策としては鋳込温度や鋳型の温度を高くし、スプ
ルー線を太く短くして、鋳造圧を大きくする事が必要で
しょう。また背圧予防としてはエアーベントも有効な手段
の一つです。
湯まわり不良による“なめられ”
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