よくあるご質問Q&A
ゼオセライト ZEO CE LIGHT
 
Q5  国際基準ISO 10993に則した安全性試験とは、どのような試験方法ですか?
  A.

ISO10993には、5種類の試験方法があります
しかし当社では、更に安全性を重視する目的で、関連した5種類の別試験も取り入れております。ここからは、代表的な2種類の試験方法について、概略を説明していきます。
始めに、『全身毒性試験』について説明します。

試験の目的:
 本試験では、医療機器の原材料化学物質の溶解液(検体液)を被検体(マウス)が、 口から摂取した場合の毒性を質的および量的に解明することを目的としています。 毒性の現れ方には、急性と慢性があります。

試験の要約:
検体液を被検体に単回または複数回に分けて口から投与し、2週間後に、 健康状態、体重の変化を観察します。検体液に毒性が無い場合では、被検体に変化はありませんが、 毒性がある場合は衰弱、体重の顕著な減少または、死亡固体が見られるようになります。
毒性が示された場合においては、臓器などにどれくらい、どのような形で毒性を示しているかを明確にする必要があります。また毒性が示されなかった場合においても、表面状は大丈夫だけれども、内臓を見るとストレスが確認できることもあるため、どちらの場合においても解剖が行われます。

※注意:マウスは気質などが、この実験に適することから使用されますが、
  最近では動物愛護の観点もふまえ、試験方法が見直されつつあります。


続いて、『細胞毒性試験』について説明します。

試験の目的:
本試験は、医療機器全体またはその原材料化学物質の毒性について培養細胞を用いることにより、 細胞の生存率および増殖率にどのような影響を及ぼすのか測定することで、 生体への毒性の有無を細胞レベルで確認することを目的としています。

試験の要約:
試験の流れは、約100個の培養細胞を試験用のプレートにまき(播種という)そこに検体液を添加し6日間培養を行います。(図1.2)
結果として、検体に毒性がなければ細胞のコロニー(細胞の塊)が播種した細胞の数だけ形成されます。(たとえば、100個の細胞を播種したとすれば、100個のコロニーができる。)この形成数が少なければ少ないほど、毒性が高いといえます。
厚生労働省のガイドラインでは、細胞の増殖によって形成されるコロニーの数を指標とするコロニー形成試験を推奨しています。 医療機器の場合、検体抽出液で細胞を処理する方法と、検体上に直接細胞を播種する方法が推奨されており、 検体と同時に対照材料による試験を実施する必要があります。(図3.4)
ISO10993-5では、抽出液(物)で処理する場合と、検体を細胞に直接または間接的に接触させる方法について述べられていますが、 欧米では寒天重層法または直接接触法等による試験が、一般的に行われています。

図1.培地の調整 図2.細胞の播種
図3.細胞の観察 図4.コロニー形成の観察

 今回は、当社が行う10種類の試験方法のうち代表的な2種類をご説明しました。残り8種類の試験方法は、『国際水準の品質と安全性を求めて』という小冊子レポートに、さらに当社商品に対する安全性試験は、『安全性試験レポートVol.2〜4』に詳しく記載しております。レポートをご希望の際は、担当営業マンまたは、歯科材料店様にお問い合わせください。